ASTRO: Advanced Science-Technology Research Organization
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2013年2月、ロシア チェリャビンスク に巨大隕石が落下した。まだ 記憶に
新しいだろう。そして現在、同サイズの小惑星 2012 TC4 が接近している。
2012 TC4 は、2012年にハワイ Pan-STARRS 望遠鏡によって発見された小惑星。
光度から直径10−30mと推定され、チェリャビンスク隕石と同サイズという。
− Pan-STARRS 望遠鏡 −
小惑星の撮影は、非常に難しく 珍しいとされるが、東大 木曽観測所が成功した。
105cmシュミット望遠鏡に、開発中の超広視野高速カメラのトライ撮影だ。
− 2017年10月10日21時56分32秒--22時56分32秒 −
明るさ 約17等級 推定距離 約98万キロ
− 2017年10月11日20時40分36秒--21時04分36秒 −
明るさ 約15.5等級 推定距離 約42万キロ
開発中の超広視野高速カメラは、トモエゴゼン と命名され2018年には完成を
目指すが、10月3日に4台のCMOSセンサ搭載の試験機が撮影に成功していた。
− 東大 木曽観測所 −
− トモエゴゼン試験機 −
完成形は、CMOS84台を搭載
− ファーストライト画像(一番最初の撮影) −
はくちょう座 散開星団 M39 露光時間 5秒 CMOS1台で撮影
トモエゴゼン完成の暁には、高速で移動する微弱な光・小惑星の撮影に威力を発揮
する見込みだ。スペースガードに強力な一役を担うに違いない。
動画:撮影写真の連続再生動画(7秒)YT
動画:東京大学 木曽観測所 紹介動画(5分強)YT
動画:2012 TC4 軌道(1分弱)YT
動画:チェリャビンスク隕石(5分)YT
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スーパーWASP*計画、太陽系外の恒星の周りを回る惑星(系外惑星)を全天に
渡って調べ上げる、壮大なプロジェクトだ。
* Wide Angle Search for PlanetsスーパーWASP
− スーパーWASPの観測カメラ −
口径200mm 2k x 2k CCDセンサー 8機
2006年にアンドロメ座方向にWASP1bを観測して以来、系外惑星を有する
恒星は、122個が登録されている。
系外惑星の有無は、直接観測するわけではない。ドップラー法とトランジット法が
あり、主星である恒星の揺らぎや、明るさの変化から、惑星有無を割り出すのだ。
− トランジット法:恒星前を横切る際の光度ダウンを観測 −
その中で、WASP12bが話題となっている。木星と比べて大きさは 1.7倍、
質量は1.4倍 という 非常に木星に近い星で、ホットジュピターと呼ばれる。
− WASP1bのサイズ 左:木星 −
ホットの所以は、主星との距離が340万キロという、太陽−地球間の45分の1
しかなく、非常に近いことから来る高温、昼間時は2500℃にもなるからだ。
− WASP1bと主星 (太陽)−
最近のハッブル宇宙望遠鏡での直接観測で、殆ど反射をしないという事が分かった。
それは、恒星から降り注ぐ光のうち、94%を吸収しているという事になるそうだ。
ホットジュピターは、この星に限らず 系外惑星の多くが、そう呼ばれる。それは、
木星と大きさが似ており また 高温であることからだ。
その中でも WASP12b は特異値を示しており、まだまだ興味は尽きない様だ。
系外惑星には地球に似た惑星もあり、生命の可能性も期待される。深化を望みたい。
当該論文(The Astrophysical Journal Letters)pdf
動画:SciShow 報道(5分弱) YT
動画:WASP12b 恒星通過のイメージCG(1分弱)YT
動画:トランジット法(12秒)YT
動画:ドップラー法(12秒)YT
高速電波バースト(Fast Radio Burst:FRB)という宇宙現象が、ちょっとした話題に
なっている様だ。数年前に発見されたというから 超あたらしい宇宙現象と言える。
このFRBは、継続時間がミリ秒(1/1000秒)単位という 極めて短い時間の現象で、
それ故、最近まで見つからなかったと言えそうだ。
<ぎょしゃ座方向で検出された事例[2012.11.2発生⇒FRB 121102 と命名]>
全天で観測された事例は、まだ24。その中で FRB 121102 は、繰り返し観測され
発生源も特定された特異なケースだが、正に このポイントに注目が集まっている。
地球外生命体探査プロジェクト(ブレークスルー・リッスン)に参加しているチーム
が、この FRB 121102 に再び目を向けたのだ。
<観測に利用された 米グリーンバンク電波望遠鏡(ウェストバージニア州)>
−開口面 100m×110mを誇る 世界最大の可動式電波望遠鏡−
5時間の観測の結果、幸運にも1時間に15回のバーストを観測した。これまでの
観測で 最多回数で、周波数も4−8GHzという最も高周波数でのデータだった。
では何が発生原因か。諸説あるがその中で一つ、異例の仮説がある。地球外生命体
の通信ネットワークからの電波という説だ。期待したいが、あくまで亜流だ。
中心となる説は、極めて高密度で強力な磁場を持つ中性子星マグネターの可能性。
フレアーを放出する事から、その関連が研究対象となっているが、順当な説だろう。
<マグネター SGR 0418+5729 のイメージ図>
但し今回は、観測結果中、周波数が最も高い事や、他の天体観測結果も考え合わせ、
発生源から地球までの宇宙空間物質の影響度合が変化している、という意見もある。
結局、まだ何も分かっていないのだが、ロマンを生み続ける宇宙現象の一つとして、
非常に期待できるだろう。こんな謎の理解が、また宇宙の理解に繋がっていく。
当該報告(Astronomer's Telegram)link
ブレークスルー・リッスンHP
動画:SciNews 報道 FRB 121102 位置特定(1分強)YT
動画:グリーンバンク電波望遠鏡訪問(5分強)YT
動画:マグネターについて(3分半)YT
火星の夜には 何が起こっているのか。そんな思いに ひとつの仮説が発表された。
夏の夜、北極あたりでは 吹雪が発生している かもしれないという。
最新の観測結果を大気シミュレーションしたところ、従来想定よりも激しい対流、
即ち 嵐が起きているという結果だったのだ。
<シミュレーション事例 激しい対流が見て取れる(下図)>
これには、実際の観測結果による傍証もある。2012年、探査機が雪を降らせる
雲を撮影している。即ち、吹雪であった可能性も高いのだ。
<南極上空で二酸化炭素の雪を降らせる雲を確認 - 中央部の白い部分>
ただ雲の高度は高く、落ちてくる水の氷粒のうち、地表まで到達できるのは、然程
多くはないようで、雪だるまができるほどではない というコメントだ。
これら成果は火星探査が進んだお陰だ。火星の気候シミュレーション精度が上がる
と、有人探査にもプラス、惑星研究への寄与も大きい。未知の探求が人間の根源だ。
<1840年の 世界初 火星マップ>
当該論文アブストラクト(Nature Geoscience)link
動画:United News International 報道(1分)YT
動画:火星の雲(6秒 4分の動き)YT
動画:VOA報道 火星探査機フェニックスによる雪の発見(2分半)YT
動画:火星地図の歴史(1分半)YT
動画:火星の最新地図(1分弱)YT
宇宙の起源が語られる一方、身近な天の川銀河を構成する物質について新しい発見
が報道された。天の川銀河の半分は、更に 遠い銀河から来ているという事だ。
<天の川銀河に似るとされる 渦巻き銀河 M101>
スーパーコンピューターの銀河形成シミュレーションが導いた結果だ。この銀河間
物質輸送は、小銀河で発生した超新星爆発が、銀河ガスを吹き飛ばす事で起きる。
このような物質を銀河の外へ吹き飛ばしてしまうような現象は、銀河風と呼ばれ、
吹き飛ばされた物質は、銀河風に乗って 大きな銀河へと流れ着く。
<事例:NGC 6240 の銀河風(スターバースト) 薄赤い部分>
− 左 電離ガスの詳細構造(赤=電離水素) 右 主な構造模式図 −
銀河間は、相当に離れているので、何十億年もの歳月が掛かる 壮大な宇宙現象だ。
計算結果では、半分の物質は、最大で100万光年離れた銀河を起源とするという。
即ち、私たちの肉体を構成する原子の半分が、遠大な宇宙の旅をし地球に集まった。
こんな事を考えながら生きてみると、宇宙には必ず友がいると思えないだろうか。
<研究者 Daniel Angles-Alcazar ザルカザール氏>
当該論文概要(the Royal Astronomical Society)link
動画:CNN報道(24分強)YT
動画:天の川銀河形成シミュレーション(15秒)YT
動画:ガス流による銀河形成シミュレーション(2分弱)YT
動画:研究者ザルカザール氏の講演(2015年 18分強)YT
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