ASTRO: Advanced Science-Technology Research Organization
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ブレークスルー・スターショットの技術開発は、レーザー光を受ける帆の材料技術
にも及ぶ。通常の太陽光に比べ、6倍のエネルギーを受けられるタフなモノだ。
レーザー光を受けて推進するとは、どういう働きをするのだろか。簡単に言えば、
レーザー光を効率良く反射すると、光子の運動量が推進力へ変換される訳だ。
<光子が推進力に変換されるイメージ>
通常の太陽光を受けるソーラーセイルの経験では、この4m四方の帆に対する要求
性能は、厚さ 光の0.05波長分、反射率 90%、質量 1gとなるそうだ。
<JAXAソーラーセイル イカロス(IKAROS)分離した小型カメラから撮影>
<開発中フォトニック結晶[PhC]の試験片 左上 写真部分>
手始めに、56nmと210nmの窒化ケイ素(SiN)材に、1550nmレーザー光
を当てたところ、56nm材では90%強、210nm材では99%強となった。
レーザー光と太陽光では、反射率など対応する性能は、異なってくる事が分かった。
これからも実験を継続し、最良の帆が開発されていくだろう。
世間的な声としては、実現に疑問が投げられているプロジェクトだが、着実な歩み
は、可能性を高めていく。どこまで到達できるかは、それに掛ける情熱次第だろう。
<研究者の一人 カブリ・ナノサイエンス研究所 S. Groblacher 准教授>
Groblacher研究室HP
動画:TomoNews NASA レーザー推進紹介(2分弱)YT
動画:NEC フォトニック結晶と光回路解説(3分半)YT
動画:JAXA イカロスのソーラーセイル展開CG(1分)YT
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最も近い恒星 ケンタウルス座近くの プロキシマ・ケンタウリ。そこへ探査衛星を
送り込もうという ブレークスルー・スターショットが、いよいよ始まった。
<ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた プロキシマ・ケンタウリ>
スプライトと名付けられた プロトタイプのチップサイズ探査衛星には、大変小さな
スペースに、太陽光パネル、計算部分、センサー、無線通信機という機能を有す。
<一辺 3.5cm 4gの探査衛星 スプライト>
<2014年の試作品>
このスプライト6基が、インドのロケットにより、地球の周回軌道に打上げられた。
そして、その中の少なくとも1基からの通信を受信できた という状況だ。
発電量 数百mW、コスト 数十ドルという極小衛星の初めての成果としては、通信
に成功した事で、大変満足できる と 開発者 ザック・マンチェスター氏 は語る。
<ザック・マンチェスター氏>
今回は通信機能に特化した形だが、これからも開発は続き、本番ではカメラも搭載
StarChips としてディープスペースへ送り込まれる極小探査衛星となる。
現在の計画では2036年に打上げ、レーザー光を受ける数mの帆を付け、光速度
20%で航行、20年でプロキシマ・ケンタウリに到着。チョット先だが楽しみだ。
日本語情報 techcrunch, gizmodo
関係論文(AIAA 2013)pdf
ブレークスルー・スターショット HP
動画:チップサイズ探査衛星の机上デモ(1分強)YT
動画:ブレークスルー・スターショットのプロモーションCG(2分弱)YT
動画:開発者 ザック・マンチェスター氏 インタビュー(2分)YT
動画:ベースプロジェクト KichSat CG(2011年 1分半)YT
地球外知的生命体を探査するSETI*プロジェクト。宇宙に、文明が存在すれば、
地球との交信能力があるはず、として 宇宙からの電波を観測し生命体を探査する。
*; Search for Extra-Terrestrial Intelligence
1960年、米国にて初めて、宇宙からの電波を観測したオズマ計画に端を発する
世界的なプロジェクトだが、電波望遠鏡をその武器とする。
- オズマ計画で用いられた米国立電波天文台の口径26mの電波望遠鏡 -
実際には、ターゲットと決めて電波望遠鏡で観測するが、大前提として、発信源は、
そこに固定的に存在し、継続的に発信している事、また電波である事が必要である。
それでは、移動体や短い発信、レーザー交信は捉えられない。研究者は、これらの
可能性を掴めない状態を問題視、新しい技術アイデアが提案されている。
ミリ秒単位のレーザーフラッシュのような信号をも捉える、広視野な高性能カメラ
を用いて観測、幾つかの特殊処理をして、地球外生命体の信号を見つけ出す。
- レーザーSETIプロジェクトイメージCG -
レーザーSETIと名付けられたプロジェクトは、クラウドファンドで資金を募集
している。目標額は1千万円強であるが、まだ6割程度しか達成できていない。
- 開発中高性能カメラ と 4基配置された観測装置イメージ -
最終的には24時間体制で観測できるよう、世界での観測網の構築を狙う。地球外
生命体の存在に異を唱える人はもういないだろうが、知的となるとそうでもない。
こういうボランタリー活動でしか継続的な観測ができないという状況を、少しでも
改善するためにも、よい観測データが得られるよう願いたい。
<動画:Laser SETI プロモーション>
<動画:SETI 討論会 2016年 1H>
太陽系の惑星や衛星には、水資源が眠っている。探査衛星などから、新しい事実が
次々と発見されているが、身近な衛星 月もそうだった というのだ。
見かけでは太陽と同じ大きさで、最も観測しやすい天体だが、望遠鏡を通した観測
では、荒涼な砂漠に岩山が目立ち、永久影に 少し氷として留まる程度とされていた。
その後、 月の南極クレーターに衛星を衝突させた実験や、採取された岩石の詳細分析
などで、水の痕跡の発見が続き、月は予想以上に水が豊富という分析がされていた。
<アポロ11号採取の岩石:国立科学博物館展示分>
そして最近の研究で、更に多くの水を保持していると分かってきた。それは、火山
噴火で作られたガラス粒子の内部に、水を閉じ込める形で結晶化しているという。
このガラス粒子の存在自体は、以前より発見されていたが、その分布が予想以上に
広がっている事が分かってきたのだ。
<ガラス粒子 直径0.1−0.2mmという微小サイズ>
<ガラス粒子の分布分析 豊富な部分−赤・黄色>
月の水資源は、人類のこれからの宇宙探査のキーとなる。宇宙で水が得られれば、
地球より運び出す必要がないからだ。生命の基は、見かけだけでは分からない。
動画:United News International 報道(1分)YT
動画:月面採取の岩石より水の痕跡を発見(2010年 2分弱)YT
動画:月面の水資源について(2013年 2分弱)YT
動画:NASA 月面 水資源探査ロボット開発(2分弱)YT
related blog link
宇宙探査に於いて 重要システムとは何か、ロケットか 探査ロボットか。なかなか
表舞台に出てこないが、人間が住居する環境を創り、維持するシステムだろう。
即ち、これ無くては生きていけない ECLSS*(環境制御生命維持システム)だ。
様々な計画が報道される中、このECLSSも着実に進歩しているようだ。
*;Environmental Control and Life Support Systems
まずは民間用。先頭を走る SpcaeX Doragon用は、既に評価を開始。
通常は、建造途中に確認・評価するが、今回は モジュールを製作して評価する。
<Doragon ECLSS用モジュール 全体 内側>
例えば 密閉された室内に、酸素と窒素の人口空気を供給しながら 4時間の長時間
評価を行っている。勿論その間、技術者はモジュールの中だ。
更に、新たなシステム開発も行われようとしている。それは、民間と共同開発中の
月軌道船や火星などの深宇宙 ディープスペース宇宙船の居室用 ECLSS だ。
<新しいディープスペース探査用宇宙船のカットイメージ図>
これまでに構造等の基本設計が完了した。次は、フルスケールで居室モジュールを
製作する。その際、ECLSSも含め 全ての装置を開発・製作・ビルトインする計画だ。
<ISS ECLSSの一部 :水再生システム>
−尿の蒸留水、湿気の除湿回収水、使用済み水 を ろ過・浄化処理−
人間は真空では生きていけない。新しい宇宙時代には、この宇宙空間で可能な限り
軽装で活動できるよう、技術が進化・開発されるだろう。その一歩が始まっている。
こうのとり後継機 HTV−Xの開発状況 pdf
動画:Doragonの内部プロモーションCG(1分)YT
動画:軌道上のDoragon プロモーションCG(1分弱)YT
動画:NASA ISS内のECLSS紹介(4分弱)YT
動画:NASA NextSTEP ディープスペース宇宙船 プロモーション(1分強)YT
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