ASTRO: Advanced Science-Technology Research Organization
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火星でのサバイバルを描いたSF映画オデッセイ、ご覧になっただろうか。火星
表面にイモを植えて食糧とし、迎えの宇宙船を待つのだ。
火星の土壌は、08年のフェニックス・マーズ・ランダーが分析し、その結果を
「裏庭の土と同じような土だ。アスパラガスが良く育つだろう」としている。
こういう情報から粒の大きさや成分を模擬した土壌を作り、既に、栽培の研究が
始まっている。オランダの大学では、月の模擬土壌での野菜栽培だ。
トマト、ほうれん草、えんどう豆、ネギ、ライムギ、ラディッシュ、ルッコラ、
クレソン、キノア、アサツキの10種類の野菜栽培に成功したという。
<収穫された野菜>
一度目は枯れ、二度目の今回は改良が加えられた。ポッドではなくトレーで栽培、
土壌にも刈り取った草を混ぜた。問題となった水遣りでの失敗を改善した形だ。
<いかにも普通のトレー>
ただ、一つ問題がある。月や火星の土壌には、重金属が含まれており、栽培作物
を食する事は、現時点では困難だ。対策の研究はこれからだ。
月の模擬土壌での成功で、火星の模擬土壌でも収穫が上げられると見込まれる。
火星への有人探査、映画の世界でなく、実に着実に関連技術の開発が進んでいる。
地球でも火星レストランがオープンする時代がやってきそうだ。
オランダの大学(Wageningen University & Research centre)HP
動画:オランダの大学によるプロモーション(2分半)YT
動画:ユーロニュース報道(2分弱)YT
動画:NASAの宇宙ガーデン研究(3分強)YT
動画:映画 オデッセイ のポテト栽培シーン(8分半)YT
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反物質というモノをご存じだろうか。反陽子と陽電子、即ちマイナス電荷の陽子
とプラス電荷の電子からなる物質だ。
この反物質と普通の物質がぶつかると、お互い逆のエネルギーを持っているので、
物質しては消滅し、膨大なエネルギーが放出される。対消滅と呼ばれる。
このエネルギーを推進力として利用する、正しくSF技術を実用化しよう構想が
核研究で有名なフェミル研究所の元研究者を中心に、民間ベースで進んでいる。
構想では、反物質はウラン核分裂の起爆として使われる。即ち、反物質の水素を
ウランに衝突させ、ウランに核分裂を起こし、その生成物を放出させる。
具体的な宇宙船アイデアには、船体前部にウランが塗られた帆が配置されている。
その帆に、反物質水素をぶつけると、生成物が発生、放出され推進力となる。
<構想イメージ>
計算によると、10kgの探査機なら反物質水素17gだけで、光速の10%の
スピードで、4.4光年のαケンタウルスまで40年で到着できる。
課題は、物質安定と製造コストにある。自然界に存在しない反物質は、不安定、
高エネルギーを放出して、直ぐに消滅する。また1gで10兆円とも試算される。
<映画 Angels & Demons より:反物質炉>
開発コストも桁違いだが、まずは概念証明のために、クラウドファンドで寄付を
募る計画、2千6百万円が目標だ。
反物質をエネルギーとした宇宙船の検討は、実は歴史があり、これまでにも何件
もの論文が出されている。言い換えれば、可能性がある技術、楽しみなテーマだ。
当該論文(2003 Particle Accelerator Conference)pdf
開発会社(Steven Howe/Hbar Technologies)HP
動画:反物質エンジンのイメージ解説(3分強)YT
動画:ドキュメンタリー 反物質爆弾の研究(4分強)YT
動画:フェミル研究所 反物質について(4分半)YT
動画:映画 Angels & Demons より(1分半)YT
デススターとは、よくぞ名づけたり。平和な惑星をターゲットを破壊する。誠に
悪役にはピッタリのネーミングだ。
だが、これのターゲットが地球に追突せんとする小惑星に向けられたら、キット
心安らか、救いの神、エンジェルスターに変身する。
近年の相次ぐ小惑星衝突に、このアイデアが浮上してきた。その名も DE-STAR*。
似通り具合が良い感じだ。
* Directed Energy System for Targeting of Asteroids and exploRation
<DE-STAR の運用イメージ>
強力なレーザ光を小惑星の一点に照射、蒸発を試みる。そのエネルギーで岩石を
も溶かし、蒸発させる。その蒸気が小惑星を動かす、軌道変更が可能となる。
その威力は強烈だ。300万kmの距離から直径100mの小惑星を溶かせる。
月までが38万Km、その8倍遠い空間に到達した時点に照射を始められる。
そのパワーはどの位か。現時点では、まだ算出できていない。最大70ギガW、
少なくとも20-30ギガWというレベルのエネルギーだ。
これが如何に巨大なエネルギーか見当が付くだろうか。1ギガWは100万kW、
一般的には一つの原子力発電所の発電能力だ。これが何十個と必要になる。
構想では、宇宙の巨大太陽光発電所からエネルギーを得る。その前に、まずは、
デモンストレータとして、20kWの DE-STARLITE* を開発する計画だ。
* Directed Energy System for Targeting of Asteroids and exploRation
<強力レーザー発振器のイメージ図>
エネルギーを得るために必要な太陽光発電効率は、70%と試算された。つまり
まだ先の話であるが、着実に技術開発が進んでいる。人類の存続を願うばかりだ。
プロジェクトHP
動画:DE-STARプレゼンテーション(42分強)YT
動画:Planetary Defense Conference 2015(13分弱)YT
動画:実験装置CG(1分半)YT
動画:開発中のレーザー兵器(1分半)YT
動画:隕石衝突の再現実験(4分弱)YT
今流行りの商用宇宙旅行とは、地上100kmあたりまで飛んで行き、無重力の
状態を体験、再び戻ってくるものだ。サブオービタル宇宙旅行と呼ばれる。
米国中心に数社が名乗りを上げ、ロケットや宇宙船の開発に凌ぎを削っている。
そこに、ついにロシアが参入してくるというニュースが入ってきた。
コスモ・クールス社という宇宙ベンチャー、この度、ロシア宇宙開発の総元締め
とも言えるロスコスモスから、宇宙旅行用の再利用システムの開発許可を得た。
<コスモ・クールス社開発中のスペースシャトル>
即ち、再利用可能なサブオービタル打上ロケット、再利用可能なサブオービタル
宇宙機器 宇宙船などの一連のシステムだ。旅行者は6名が搭乗できる。
<コスモ・クールス社のサブオービタル旅行システム>
先発との差別化に、軌道は180-220kmと高く、より宇宙感覚を高めよう
という狙いのようだ。一連の離発着時間は15分、無重量感覚は5-6分という。
これまでの飛行機型とは違い、ロケットという事で、往復の時間は非常に短い。
打上げロケットも再利用、地球に戻ってくる。スペースX社の企画に近い印象だ。
20から25万ドル(2.4-3千万円)というチケットは、先行企業とほぼ同じ。
2020年スタートに向け、既に700名が予約中という。
ロケット式だけあって、最大加速度は5Gにもなる。いわば、0Gから5Gへの
加速度体験の旅でもある。恐らく、搭乗者は事前に体力増強が課せられるだろう。
ロシア語情報 varlamov
動画:CCTV:ニュース報道(30秒)YT
動画:スペースX社 再利用型ロケットテスト(2分半)YT
動画:かつて開発されていたロシア版スペースシャトル(5分弱)YT
動画:ロシア版スペースシャトルCG(4分半)YT
動画:ロシアの宇宙博物館ツアー(2分)YT
地上100kmの宇宙空間へのジャーニー、その一番乗りを目指すヴァージン・
ギャラクティック社が、新しい機体をお披露目した。
2014年の事故から1年4ヶ月、新しい機体はユニティと名付けられた。かの
ステファン・ホーキング博士が、その名付け親だ。
<VSS[Virgin Spaceship] Unity>
事故原因は、パイロットによるものとされたが、新しい機体の開発にあたっては、
厳格なテストを行ったと強調する。初の商用宇宙旅行、不安解消には必須だ。
地上から宇宙までの飛行ルートを模擬した何千回のキャビン与・減圧試験、推進
装置であるロケットモーターの100回にも及ぶ耐久試験などだ。
そして、全機地上試験と呼ばれる地上での最終確認試験の後、飛行試験へと進む。
全てが成功した暁には、いよいよ商用の宇宙旅行の始まり、既に700人待ちだ。
<WhiteKnightTwo:Unityを高度1500mまで持ち上げる>
1回のジャーニーは乗員2名に乗客4名で構成され、約5分の無重量状態を体験、
地上へ帰還する。全行程 2.5時間のチケットは25万ドル、約3000万円だ。
実はこのプログラム、日本にも関わりがある。なんと、飛行士のスペーススーツ
は、日本のデザイナー 山本耀司 の作品だ。これからのステップに注目したい。
<山本耀司デザインのユニフォーム>
開発企業(ヴァージン・ギャラクテック社)HP
米国国家運輸安全委員会 事故報告書(概要) pdf
動画:CNN報道:ユニティの発表(3分弱)YT
動画:ユニティ開発中の試験風景(3分半)YT
動画:超小型衛星打上げ用ロケットのロケットモーター地上試験(1分弱)YT
動画:山本耀司デザインのユニフォーム(2分弱)YT
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