ASTRO: Advanced Science-Technology Research Organization
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***2015.03.10 VOL.4-05***
火星移民を目指すマーズワン・プロジェクト。2025年から送り込む候補者の
選定が進む。2013年当初、応募2万人以上あったが男女各50名に絞られた。
最終的には24名まで絞り込まれ、順次旅立っていく予定だ。だがその前に重要
プロジェクトの計画がある。そう、レタスを送り、育てようというのだ。
公募された35の研究プロジェクトから、投票により選ばれた。欧州の大学生の
チームSEEDが企画・提案した。最終的には火星の土壌・大気で育成を目指す。
<SEEDの面々>
<こんな感じ?>
検討されているUVブロックできる温室ケースの上面は、砂塵が降り降り積もる
のを避けるため湾曲を付けている。
更に、気圧を地球に合わせるため、加圧ポンプも装備。水や栄養分も供給され、
砂塵防止のフィルターや、不足する太陽光を補うUVランプも装備される。
レタスは、既に宇宙空間で育成された事があり、データ比較もし易いというのが、
選定の理由のようだ。食べれるから、というのがベースにあるだろうが。
7ヶ月の輸送期間、宇宙空間では冷凍保存される。温室ケースは勿論だが、輸送
においても、いろいろなエンジニアリングが必要とされそうだ。
<設置予定地:黄枠部 移住候補地でもある>
現在時点2018年に無人探査機を発射、実験予定だ。期間中はモニターも予定
される。この実験成否が、人類の宇宙旅行の成否を握ると言っても過言でない。
日本語情報 rocketnews24, wired
プロジェクト(LettuceOnMars)HP
研究大学(University of Southampton Spaceflight Society)HP
マーズ100 移住者候補リスト link
日本人候補者:島袋悦子さん紹介HP
動画:BBCニュース報道(約3分半)YT
動画:無重量空間ISSで育てるレタス(約4分)YT
動画:火星・月の土壌で植物を育てる研究(2分弱)YT
動画:島袋悦子さん(1分弱)YT
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***2015.03.10 VOL.4-05***
グーグル・ルナXプライズは、3部門で競われている。その一つ部門、モビリティ
部門で日本チームHAKUTOと米2チームが選考された。
このモビリティ部門は、月面上で探査車が自律的にロボット走行する技術を競う。
HAKUTOは、4輪車「ムーンレイカー」と2輪車「テトリス」を開発中だ。
<ムーンレイカーとテトリス>
全幅48cm×全長60cm×全高54cm、重量8kg やや大きめのラジコンカーの
イメージ。ライバルチームよりやや大きめだが、スピードは優るとの事だ。
月面では地下100m辺りに広がる「縦孔」を調査するという、競技以外の独自
の調査計画も持っている。
プリフライトモデルとして開発され、熱や放射線・振動などの様々な宇宙環境を
模擬した実験を行い、実際のフライトモデル開発に活かしていく。
開発費用は30億円を見込むという計画、優勝賞金20億円程度を得たとしても
赤字というから驚きだ。狙いは何か。
宇宙を巡る新しいビジネスへの一番乗り、この賞はスタートだ。新興国に月探査
ロボットを売り込んだり、小惑星や火星に小型ローバーを送り込む事もできる。
<砂丘での試験走行>
実はランダーシステム部門、即ち月面着陸システムを競う部門で、インドチーム
が勝ち残っている。もはや新興国という事は言わず、如何に日本が出て行くかだ。
HAKUTOには、その尖兵となり、それに続く日本企業が出てくる事を最大限
期待したい。
英語情報 newscientist
開発会社(ispace社)HP
動画:ニュース報道(3分強)YT
動画:砂丘での走行試験(6分強)YT
動画:XPrizeについて(3分弱)YT
動画:選考3チームの一つ Astrobotic team の報道(4分弱)YT
動画:選考3チームの一つ Part-Time Scientists の報道(約3分半)YT
***VOL.4-04 2015.2.24***
スペースプレーンとも呼ばれるIXV、翼がないリフティング・ボディーという
胴体だけで揚力を得るという最新技術が投入された宇宙往還機の実験機だ。
全長5.0m、全高1.5m、全幅2.2m、打上時質量は2トンというから小型
トラック程度の大きさだ。後部にあるフラップ2枚で、若干の飛行制御も可能だ。
<大気圏に突入するIXVイメージ>
実験は、南米ギアナから打ち上げられ、地上400km程のサブオービタル軌道
でユーラシア大陸上を飛行、太平洋へ着水する100分ほどの内容だ。
胴体には300個のセンサーが付けられ、新しく開発された断熱材の性能を記録
する。ノーズ付近で1800℃になる超高温だ。
打上ロケットヴェガは、高さ30mほどの最新の小型固体燃料ロケットで、今回
はまだ4回目であるが、首尾よくミッションをこなした。
<打上から着水までのコース>
次に控えるプログラムは、実際に衛星を積み込み、軌道へ投入、空港へ帰還する
というデモンストレーション、まさしくスペースシャトルと同じだ。
違いは無人で実施するという点だが、機体にも主翼が付き、操縦の自由度をUP
したものとなる。実施時期は2020年頃の見込みだ。
<控えるプログラム PRODEのイメージ図>
-Program for a Reusable In-Orbit Demonstrator for Europe-
開発したタレース・アレーニア・スペース社は、主には仏・伊の合弁企業だが、
欧州最大の人工衛星開発会社という事だ。日本の宇宙プログラムにも参加する。
これで欧州も、大気圏への再突入技術を得る。意外にも、欧州としては初の技術
という事だ。宇宙開発の裾野は、ますます広がりそうだ。
同社プレゼン(2012 JAXA シンポジム)pdf
動画:IXV開発 ニュース報道[含むイメージCG](約3分)
動画:IXV開発 専門番組(約8分半)YT
動画:打上中継+CG(5分弱)YT
動画:IXV全体ミッション[含む構造]CG(7分弱)YT
***VOL.4-03 2015.2.10***
宇宙で食べ物を口にしたのは、ロシア ボストーク2号が初とされる。55年程
昔の話となるが、その後、固形食やチューブ食が開発された。
今では、ラーメンなども持ち込まれるが、やはりパックに収まっている。液体は
マイクログラビティ空間では、漂うから仕方ない。
<宇宙ラーメン スペース・ラム>
と思っていたら、なんと宇宙でもカップでエスプレッソが飲めるという。そんな
カップが開発された。着想は2008年だが、3Dプリンターが決め手となった。
<プロトタイプ達>
一見すれば、実現が難しかった理由も推し量れる。普通のカップとは全く形状が
異なる。だが、想像もつくだろう。基本技術は、表面張力と毛細管現象の応用だ。
2008年の宇宙での試行動画を見れば、なるほどと思える。これで、珈琲など
嗜好飲料をチューブやストローから飲むという興ざめ感から解放された。
このアイデアは単純だ。シートを使った柔らかいコップの一部に折り目を付ける
事で、この折り目に沿って、液体が口まで這い上がる。
この原理をベースに、より優雅に珈琲を楽しむ、そういう目的で、翌2009年
にデザイナーも入って設計されたカップもある。
<優雅なカップ>
側面に溝を設けて、オリジナルの折り目を再現。上に這い上がった液体を貯める
凹みを作り、直接口から飲もうという仕組みだ。
ここまでは珈琲が対象だったが、今回はエスプレッソ。イタリアがエスプレッソ
マシンをISSへ持ち込む計画をしている事から、米国の大学が研究・開発した。
その醍醐味は、アロマ 即ち香り、クレマ 即ちクリーミーな泡立ちを楽しむ事に
あるというから、はやりチューブでは難しく、これまでのアイデアでも不十分だ。
そこに開発者の情熱が燃える。長期滞在の宇宙旅行の時代では、機能だけでなく
文化も楽しみたい。普通のコップも使える重力発生技術が待ち遠しい。
宇宙食について wiki
動画:オリジナルアイデアの宇宙での試行(2008年 3分弱)YT
動画:NASAによる技術解説(4分)YT
動画:若田光一の宇宙での日本食(2009年 6分強)YT
動画:若田光一のISS宇宙食紹介(2014年 6分)YT
動画:エスプレッソカップ ニュース報道(2分半強)YT
動画:エスプレッソカップ 技術解説(9分半)YT
***VOL.4-03 2015.2.10***
スペースベンチャーは、米国だけではないようだ。ロシアから発信された報道は、
有名なゲームクリエイターがスタートUPベンチャーに投資、まるで米国の話だ。
ベンチャー Lin Industrial は、推力50kgという超小型ロケットを開発する。
近年拡大する超小型マイクロ衛星の発射市場を狙っての事だ。
打ち上げ費用は5-6億円、衛星ではkg重量あたり約1千万円となる。日本の
H-II ロケットは約100億円とされ、低軌道衛星重量10トンからみると高い。
しかし、マイクロ衛星の発射に大型ロケットを使うと、逆に割高になってしまう。
そんな事から手軽に使えるロケットは待ち望まれている。
<開発中 Aldan Rocket 全長14m余りの2段式>
このベンチャーが、10年後にも月に宇宙基地を造るという発表を行った。予想
される費用は、1兆円レベル。ベンチャーには途方もない金額だが。
月面着陸成功6回を達成したアポロ計画の費用は、現在価値で18兆円ともなる
ことを思えば、格段にコストセーブな内容となってはいる。
基地建設に13回の重量ロケットを、その後基地の維持に37回の重量ロケット
発射を見込む。即ち、打ち上げ費用は200億円/回となり、現実に近くなる。
一方、ロシア政府の進める月探査計画は、3-4兆円の月探査プログラムの後に、
月面基地の建設は、早くとも2030年以降となる見込みだ。
<開発中のロシア重量ロケットAngara>
<ロシアの月基地イメージ>
米国は、民間スペースベンチャーで月探査のコストを大幅に下げてきた。ロシア
はどう動くか。果たして政府は、このプロジェクトに予算を付けるだろうか。
アポロ計画について wiki
動画:ロシアの月基地計画報道(2分半強)YT
動画:Angaraロケット テスト発射成功(2014.12 7分弱)YT
動画:ロシア月面探査車 Selenokhod イメージCG(2012.4 2分半)YT
動画:1965年 ロシアの月探査イメージフィルム(3分弱)YT
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